福利厚生制度とは?
福利厚生制度は、企業が従業員に対して提供する物品やサービス、制度のことです。労働基準法で定められた最低限の福利厚生制度に加えて、企業は独自の福利厚生制度を導入することができます。
福利厚生制度には、以下の種類があります。
- 保険制度:健康保険や厚生年金などの社会保険や、団体保険などの民間保険
- レクリエーション:社員旅行やスポーツ大会などのイベントや、社内スポーツクラブなどの施設
- 育児・介護支援:育児休暇や介護休暇などの制度や、託児所やシッターなどのサービス
- 健康・美容支援:健康診断やマッサージなどのサービス、健康食品やサプリメントの補助など
- 資産形成支援:財形貯蓄や確定拠出年金などの制度、資産運用のサポートなど
福利厚生制度の重要性
福利厚生制度は、企業にとっても従業員にとってもメリットのある制度です。
企業にとってのメリット
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- 従業員満足度の向上
- 採用競争力の強化
- 生産性の向上
従業員にとってのメリット
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- 生活の質の向上
- モチベーションの維持・向上
- 離職率の低下
今注目の福利厚生制度
近年、従業員の働き方や価値観の変化に合わせて、さまざまな福利厚生制度が注目されています。
マインドフルネス福利厚生
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向け、評価や判断をせずに受け入れることを指します。マインドフルネス福利厚生は、マインドフルネスのトレーニングや体験を提供することで、従業員のストレスや不安の軽減、集中力の向上などを目的とした福利厚生です。
近年、働き方の変化やコロナ禍の影響により、従業員のメンタルヘルスへの関心が高まっています。マインドフルネス福利厚生は、従業員の心身の健康をサポートし、仕事のパフォーマンスの向上や離職率の低下にもつながる可能性があります。
異文化理解強化のための留学制度
異文化理解強化のための留学制度は、従業員のグローバル人材の育成を目的とした福利厚生です。従業員が海外に留学することで、異文化への理解を深め、グローバルに活躍できる人材を育成することができます。
近年、グローバル化の進展により、企業が海外展開するケースが増えています。グローバル人材の育成は、企業の競争力強化に欠かせないものとなっています。
フレックスタイム制度
フレックスタイム制度は、従業員のライフスタイルに合わせて勤務時間を調整できる制度です。従業員は、自分の都合に合わせて出社時間や退社時間を決めることができます。
フレックスタイム制度は、従業員のワークライフバランスの向上や生産性の向上につながる可能性があります。
在宅勤務(テレワーク)制度
在宅勤務(テレワーク)制度は、従業員が自宅で仕事をする制度です。従業員は、通勤の負担や時間の削減、家族との時間の確保など、さまざまなメリットを享受することができます。
在宅勤務(テレワーク)制度は、従業員の働き方の多様化を実現し、生産性の向上や離職率の低下にもつながる可能性があります。
これらの福利厚生制度は、従業員の満足度や生産性の向上、採用競争力の強化など、さまざまなメリットをもたらす可能性があります。
企業は、自社の目的や現状に合わせて、適切な福利厚生制度を導入することが重要です。
福利厚生制度の役割
社員満足度向上のための役割
福利厚生制度は、従業員の生活や仕事の質を向上させることで、従業員満足度を高めることができます。
具体的には、以下の効果が期待できます。
- 仕事に対する満足度向上
- モチベーションの維持・向上
- 離職率の低下
従業員が仕事と生活の両面で満足感を得られれば、仕事に対する意欲やモチベーションが高まり、離職率の低下にもつながります。
採用競争力のための役割
充実した福利厚生制度は、優秀な人材の採用に有利に働きます。
具体的には、以下の効果が期待できます。
- 採用競争力の強化
- 優秀な人材の定着
企業は、優秀な人材を確保するために、競合他社との差別化を図る必要があります。充実した福利厚生制度は、企業の魅力を高め、優秀な人材の採用につながります。
また、優秀な人材は、福利厚生制度の充実度も重要な採用基準の一つとしています。充実した福利厚生制度を導入することで、優秀な人材の定着にもつながります。
その他の役割
福利厚生制度には、社員満足度向上や採用競争力強化のほかにも、以下の役割があります。
- 企業文化の醸成
- 労働力の確保
- 社会貢献
福利厚生制度は、従業員一人ひとりが働きやすい環境を整えることで、企業文化の醸成や労働力の確保にもつながります。また、社会貢献の一環として、福利厚生制度を活用する企業も増えています。
企業は、自社の目的や現状に合わせて、適切な福利厚生制度を導入することが重要です。
福利厚生制度の導入ガイド
福利厚生制度を導入する際には、以下のステップとポイントを押さえることが重要です。
- 目的の明確化
- 福利厚生制度を導入する目的を明確にします。
- 従業員満足度の向上なのか、採用競争力の強化なのか、それとも両方なのかを検討します。
- 現状の把握
- 自社の現状を把握します。
- 従業員のニーズや企業の規模、予算などを考慮します。
- 制度の検討
- 自社の目的や現状を踏まえて、適切な制度を検討します。
- 導入
- 制度を導入します。
- 従業員への周知や利用促進も必要です。
福利厚生制度の導入事例
福利厚生制度を導入した企業の事例を参考にすると、自社の導入に役立ちます。
従業員の満足度や生産性向上につながった事例
株式会社メルカリ
- Sick Leave(シックリーブ)
病気・ケガを事由とした休暇を年10日間、有給休暇とは別に付与します。メンバー本人だけでなく、日頃からメンバーを支えている大切な家族(配偶者やパートナー、子供、両親、祖父母、兄弟姉妹、ペット)が病気や怪我になった場合でも適応できます。
- merci box(メルシーボックス)
思い切り働ける環境作りのための人事制度で、産休・育休・介護休業などに関する様々なサポートを含んでいます。産休・育休・介護休業からの復職時には一時金を、育児・介護休暇の取得時には最大10日間の休暇取得を、不妊治療や卵子冷凍には会社からの費用負担を、病児保育や0歳児保育、認可外保育園の利用には費用補助を提供しています。これにより、社員一人ひとりが個々のライフステージに合わせた働き方を選択可能にしています。
採用競争力の強化につながった事例
株式会社ユニリーバ・ジャパン
ユニリーバ・ジャパンでは、WAA(Work from Anywhere and Anytime)という働き方を採用し、ワーケーションを含む地域での働き方も推奨しています。
家族の形が多様化する社会に対応し、家族やライフステージに合わせた働きやすさを整備。
また、副業も認めており、パラレルキャリア推進も行っています。
さらに、LGBTQI+の人々が自分らしく働ける組織文化と制度を整備しています。
これらの事例から、福利厚生制度を導入することで、従業員の満足度や生産性の向上、採用競争力の強化など、さまざまなメリットを得られることがわかります。
まとめ
本記事では、福利厚生制度の重要性や種類、今注目の福利厚生制度、導入方法とポイント、導入事例について解説しました。
福利厚生制度は、企業と従業員の双方にさまざまなメリットをもたらす制度です。自社の目的や現状を踏まえて、適切な福利厚生制度を導入しましょう。