この記事では、効果的な新規開拓営業の手法と新規開拓営業を成功させるコツを紹介しています。現在の取り組みに満足できない方は参考にしてください。
新規開拓営業に効果的な手法6選
新規開拓営業にはいくつかの手法があります。効果的な手法として、以下のものがあげられます。
テレアポ:量を追求できる新規営業の定番手法
営業リストに従い、ターゲットへ電話をかけて商談などのアポイントを獲得する手法です。電話営業などと呼ばれることもあります。多くの企業が新規開拓営業に採用している定番の手法といえるでしょう。
テレアポの強みは、電話番号があればターゲットへすぐにアプローチをかけられることです。基本的には、最低限人件費と電話代程度しかかからないため、コストを抑えやすい点も見逃せません(1件あたりのアプローチにかかる時間が短い)。量を追求しやすい新規開拓営業の手法です。
ただし、関係性を構築する前に電話をかけるため、信頼を獲得することは難しくなります。受付で断られるケースや担当者につないでもらえないケースが多いといえます。また、担当者につないでもらえたとしても、商談などのアポイントを獲得するには一定のスキルが必要です。手軽に取り組める一方で、難易度は高いと考えられます。
Web広告:正確なターゲットと運用で効果大
Webメディアに掲載される広告を活用して、新規顧客を開拓する手法です。Web広告には、検索結果の上部などにテキストの広告を表示するリスティング広告、Webサイトなどに設けられた広告枠に画像や動画の広告を表示するディスプレイ広告、自社Webサイトを訪れたユーザーに再訪問を促す広告を表示するリターゲティング広告などがあります。
Web広告の強みは、自社の製品やサービスなどにマッチするターゲットを絞り込みやすいことです。データをもとにユーザーの行動を分析できる点や分析結果をもとに広告の内容を変更できる点も強みとしてあげられます。適切に運用すれば大きな効果を期待できるでしょう。
ただし、多くの企業がWeb広告を活用しているため、自社の製品・サービスが埋もれてしまう恐れがあります。また、適切に運用するには、製品、サービス、市場に関する知識だけでなくWebマーケティングの知識も求められます。
ウェビナー:営業範囲を問わず顧客育成が可能
ウェビナーを開催して、新規顧客を開拓することも可能です。ウェビナーは、Webを活用したセミナーを指します。具体的には、ターゲットが興味をもちそうなセミナーを開催し、参加者を対象に新規開拓営業をかけます。集客の方法はさまざまですが、既存顧客からの紹介、Webサイト・SNSの活用などが考えられます。
ウェビナーの魅力は、遠方のターゲットにもアプローチをかけられることです。場所をとらないため、セミナー会場を借りる費用がかからない点も魅力です。
ただし、Web上でのやりとりになるため、ターゲットとの関係性は深めにくい傾向があります。例えば、セミナー終了後に名刺を交換したり懇親会を開催したりすることはできません。また、配信トラブルにも注意が必要です。
リファラル営業:圧倒的効率のよさ
既存顧客などから見込み客を紹介してもらう新規開拓営業の手法です。この特徴から紹介営業、または人脈営業と呼ばれることもあります。
リファラル営業の魅力は、新規開拓にかかるリソースを削減しやすいことです。見込み客を紹介してもらうため、人件費・広告費を削減できる可能性があります。また、共通の知人を介することで、信頼関係も構築しやすくなります。効率のよい新規開拓営業の手法といえるでしょう。
ただし、紹介してもらった見込み客と関係が悪化すると、既存顧客の信用を失ってしまう恐れがあります。見込み客の受注確度にばらつきが生じやすい点にも注意が必要です。特別なニーズはないものの、既存顧客に促されて仕方なく話を聞いているケースもあります。
マッチングサービス:リード獲得の正確性
マッチングサービスは、商品・サービスの販路を拡大したい企業とそれを求める企業に商談の場を設けるサービスです。展示会などを通して企業同士を結び付けるケースとWebサービスを通して企業同士を結び付けるケースがあります。
マッチングサービスの強みは、ニーズが顕在化している見込み客にアプローチをかけられることです。受注確度の高いターゲットに絞り込めるため、新規開拓営業を効率化できる可能性があります。発注側企業から声をかけられて、自社が気づいていなかったニーズを発見できることがある点も魅力です。
ただし、マッチングサービスを利用すれば、商談がすぐに成立するわけではありません。通常の営業と同じく、関係性を構築する作業などが必要になります。商談につながらないケースがある点にも注意が必要です。
営業代行企業:アウトソーシングによるコア業務集中
新規開拓営業を営業代行会社へ依頼することもできます。営業代行会社は、営業活動の一部または全部を代行してくれる会社です。具体的な業務の内容はサービスで異なります。
営業代行会社の魅力は、一定のスキルを有する人材に新規開拓営業を任せられることです。基本的に教育を必要としないため、新製品販売などのタイミングで、営業力を強化できる可能性があります。手間がかかりやすい新規開拓営業を任せることで、自社の営業パーソンがコア業務に集中しやすくなる点も魅力です。
ただし、新規開拓営業を丸投げすると、自社に営業ノウハウが残らない恐れがあります。この点が心配な場合は、営業ノウハウを共有してくれる会社などを選ぶとよいでしょう。
新規開拓営業を成功させるコツ
一般的に、新規開拓営業は難易度が高いと考えられています。ここからは、新規開拓営業を成功させるコツを紹介します。
顧客情報の管理を徹底する
新規開拓営業に欠かせないのが顧客情報です。顧客情報は集めて終わりではありません。適切に管理する必要があります。具体的には、実際の状況にあわせて情報を更新する、自社が行ったアプローチを記録する、ターゲットが行った行動を記録するなどが考えられます。これらに取り組む理由は、受注確度を見極めやすくなるからです。例えば、見積書を請求している企業などは受注確度が高いと考えられるでしょう。このようなターゲットに注力すると、新規開拓営業を成功させやすくなります。
営業リストの作成・共有をする
顧客情報をもとに営業リストを作成すると新規開拓営業を効率化できます。アプローチをかけるべきターゲットが明確になるからです。営業リストをチームや部署で共有すると、さらに効率化できる可能性があります。リーダーが全体の方針を定めやすくなるうえ、成約につながりやすい企業の特徴や提案方法を共有できるからです。また、担当者が不在のときに他の営業パーソンが対応できるなども考えられます。
営業先に合わせてアプローチ方法を変える
新規開拓営業では、ターゲットが関心をもつ方法でアプローチを行うことが重要です。関係性ができていないため、関心から外れると話を聞いてもらえない恐れがあります。ターゲットの関心はさまざまです。課題の解決方法を探していることもあれば、新規事業に役立つサービスを探していることもあるでしょう。ターゲットの立場に立って、自社が求められていることを考えたうえでアプローチをかけなければなりません。ターゲットの関心は、企業あるいは担当者の情報収集を行うと把握しやすくなります。
商談タイミングを見極める
商談のタイミングも新規開拓営業の成否に関係します。ニーズに合致した製品・サービスであっても、予算決定後は導入が難しくなるからです。BtoBビジネスの場合、予算が決定する前に商談を設定しなければなりません。具体的なタイミングの目安は、決算月の2カ月前までです。ただし、ターゲットの意欲が高まっていないと、商談を設定することは難しくなります。また、商談につながったとしても、成約には結びつけられないでしょう。おおよその時期を設定して、ターゲットの意欲を高める活動を行っておくことが重要です。受注確度が高まったタイミングで商談を設定すると、新規開拓営業を成功させやすくなります。
KPIを設定し振り返りと改善を定期的に行う
新規開拓営業は、企業が継続的に行っていくべき活動です。適切に評価して、業務改善を進めていかなければなりません。評価の軸となるのが、営業戦略に基づき設定したKPIです。評価の対象になる指標はケースで異なりますが、受注率や商談化率などがあげられるでしょう。KPIを達成するため、PDCAサイクルを回すことも欠かせません。PDCAサイクルを回せば課題と改善点が明らかになります。結果的に、新規開拓営業を成功させやすくなるでしょう。
まとめ
売上を伸ばしたい企業にとって、新規開拓営業は不可欠な取り組みです。しかし、手間とコストがかかるうえ成約率も低いため、積極的に取り組めないケースが少なくありません。
新規開拓営業の手法はさまざまです。具体的には、テレアポ、リファラル営業、営業代行などがあげられます。それぞれのメリット・デメリットは異なるため、自社に合っている手法を選ぶと効率よく新規営業開拓を行える可能性があります。例えば、営業代行は、自社の営業パーソンをコア業務に集中させたいときなどに向いています。
顧客情報を適切に管理する、商談のタイミングを見極めるなど、基本的なポイントを押さえておくことも欠かせません。これらを徹底することで結果につながりやすくなります。売上を伸ばしたい方は、この記事を参考に新規開拓営業に取り組んでみてはいかがでしょうか。