交通費の管理は、特に出張が多い企業にとっては避けて通れない経営上の課題です。社員が出張時に現金を携帯するリスクや、経理処理の煩雑さは企業の効率を大きく損なう要因になり得ます。これらの問題を解決するために、多くの企業が注目するのがETC協同組合の法人ETCカードです。このカードを導入することで、現金を持ち歩くリスクを減らし、経理処理を大幅に効率化することが可能になります。
概要
出典元:https://www.etc-kumiai.jp/
ETC協同組合の法人ETCカードは、クレジット審査なしで手軽に申し込める法人向けのカードです。特に中小企業や新設されたばかりの法人、個人事業主にとっては、クレジットカードのような審査を通過する必要がないため、容易に導入することができるでしょう。利用明細は各カードごとに発行され、どのインターチェンジを通過したかが記載されるため、経費管理が一層簡単になります。
特徴
法人ETCカードの最大の特長は、その利用明細の詳細さと、経理処理の簡便さです。カード利用ごとに明確に記録されるため、経費の正確な管理が可能となります。また、高速道路専用でクレジット機能が付属していないので、高速道路以外での不必要な使用を防止できます。さらに、ETC車載器がない場合でも、手持ちのカードとして利用可能であり、企業によっては1台の車両に対して複数枚のカード発行を申し込むことができます。これにより、様々なシチュエーションで車を利用する必要がある企業にとっては大きなメリットとなるでしょう。
メリット
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現金の携帯リスク削減: 従業員が現金を持ち歩く必要がなくなるため、紛失や盗難のリスクを低減できます。
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経理処理の効率化: カードごとに記載される詳細な利用明細により、経費の管理が簡素化され、経理処理の時間を短縮できます。
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柔軟な利用環境: ETC車載器がない車両でも使用可能で、レンタカーやカーシェアリングサービスを含む任意の車種で利用できるため、利便性が高いです。
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経費削減の促進: 休日や特定の時間帯に提供される30%の割引は、企業の交通費削減に貢献します。
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速やかなカード発行: 新設法人や小規模事業者でも、審査を必要とせず迅速なカード発行が可能であり、ビジネスの立ち上げ時に迅速に対応できます。
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発行枚数の柔軟性: 登録車両1台に対して最大4枚までカードを発行できるため、複数の従業員が同一車両を使用する際にも柔軟に対応できます。
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利用環境に応じたカード選択: 利用頻度やエリアに応じて、マイレージあり・なしのカードを選べるため、最適なプランを選択することでコストパフォーマンスを高められます。
デメリット
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マイレージサービスの不利用: ETC協同組合のカードでは、ETCマイレージサービスの利用ができないため、長期的な利用におけるポイント還元や追加割引の恩恵を受けられません。
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手数料の発生: すべての走行料金に対して5%または8%の手数料がかかり、この追加コストは経費管理上で考慮する必要があります。
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利用可能エリアの制限: ETCマイレージありのカードを選択した場合、首都高速道路など、ETCマイレージサービスを利用できない道路があり、利用計画を立てる際の考慮が必要です。
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管理の手間: ETCカードは複数発行が可能で利便性が高い反面、複数のカードの管理が必要になり、利用状況の監視には注意が必要です。
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初期費用の負担: 出資金として10,000円の支払いが必要であり、企業によっては立ち上げ初期の財務負担となり得ます。また、カードの発行手数料や年間手数料も考慮する必要があります。
プランと料金
ETC協同組合は、企業の利用状況に応じた2種類の法人ETCカードを提供しています。以下に各カードのプランと料金、そしてそれぞれの特徴を詳細に説明します。
ETCカード(マイレージなし)
対象利用者:
- 東京・大阪近郊の高速道路を頻繁に利用される方。
- レンタカーまたはカーシェアリングを使用する方。
料金体系:
- 出資金(脱退時返金): 10,000円/1社
- カード発行手数料: 880円(税込)/1枚
- 年間手数料: 880円/1枚(年1回)
- 手数料: 毎月の走行金額の5%
カードの特徴:
- 平日朝夕割引が適用されない区間での利用に適しています。
- 最高4枚までカードを発行可能で、どの車両でも使用できます。
ETCカード(マイレージあり)
対象利用者:
- 月5回以上平日朝夕割引時間帯を利用する方。
- 高速道路利用が多い企業。
料金体系:
- 出資金(脱退時返金): 10,000円/1社
- カード発行手数料: 880円(税込)/1枚
- 年間手数料: 880円/1枚(年1回)
- 手数料: 毎月の走行金額の8%
カードの特徴
- ETCマイレージサービスを利用でき、毎月の支払額に応じてポイントが貯まります。
- 貯まったポイントは無料通行分として利用できます。
- 首都高速道路など、一部の道路ではマイレージサービスを利用できないため、事前に確認が必要です。
- こちらも最高4枚までカードを発行可能です。
両プランとも、必要な公的書類の提出が必要であり、申請手続きは比較的シンプルです。請求書は月末締めで翌月20日頃に発送され、支払いは翌々月の指定日に口座振替となります。
これらのプランを通じて、ETC協同組合はさまざまなニーズに応じた法人ETCカードの発行を可能にし、経済的な利用ができるようにしています。企業の経理効率化だけでなく、経費削減にも大きく貢献するこのサービスは、多くの企業にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
おすすめユーザーとレビュー
おすすめユーザー
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法人設立5年未満の企業: 新しい事業を始めたばかりの企業にとって、資金の流動性は重要です。ETCカードは、初期投資の圧縮と経理の効率化に役立ちます。
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独立間もない個人事業者: 個人事業主も手軽に申し込める手軽さで、出張時の経費管理を簡単にします。
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法人ETCカードの発行を断られた方: クレジット審査による壁を感じることなく、事業の拡大に必要な交通手段を確保できます。
レビュー
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「手続きが簡単で、待ち時間なくカードを受け取れた。すぐにビジネスに活用できている。」
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「経理処理が楽になり、経費削減にもつながっており、事業の効率化に貢献している。」
よくある質問
カードを申請すると組合費や加入金が必要になりますか?
はい。カード発行には、ETC協同組合に加入し出資金をお預け頂く必要がございます。カード発行と会費は以下になります。
●出資金(脱退時返金)
10,000円/1社
●カード発行手数料
880円(税込)/1枚
●年間手数料
880円(税込)/1枚(年1回)
個人で申し込みできますか?
申し訳ございません。カード申込は、法人もしくは個人事業者の方に限ります。
会社所有の車以外でも使用可能ですか?
はい、レンタカーや社員様所有の車でもご利用可能です。
クレジット機能はありますか?
高速道路専用のETCカードですので、ショッピングサイト等にはご利用できません。
まとめ
ETC協同組合の法人ETCカードは、審査が不要でありながら、経理処理の大幅な助けになるという強力なアドバンテージを持っています。申し込み手続きの簡便さはもちろん、30%の割引などの経費削減策は、特に出張が多い企業や、立ち上げたばかりの事業者にとって大きなメリットをもたらします。この記事を通じて、ETC協同組合の法人ETCカードの利点を理解し、サービス導入を検討する際の参考にしていただければ幸いです。