近年、地震や台風、豪雨など、日本国内では多くの自然災害が発生しています。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨、2019年の台風15号・19号など、甚大な被害をもたらした災害が記憶に新しいところです。こうした災害は、企業活動にも大きな影響を与えます。サプライチェーンの寸断や、従業員の被災による人手不足など、事業継続に支障をきたすリスクが高まるのです。
本記事では、こうした災害リスクに備えるための企業の防災対策について解説します。特に、従業員の安全確保と事業継続の両立を目的とした、防災グッズの選定と導入、備蓄方法、活用方法などに焦点を当てます。企業の防災対策の重要性を再認識し、実践的な対策を講じるための一助となれば幸いです。
なぜ防災対策が必要なのか
冒頭で述べたように、災害は企業活動に甚大な影響を及ぼします。具体的には、以下のようなリスクがあります。
- サプライチェーンの寸断：取引先の被災により、原材料の調達や製品の出荷が滞る可能性があります。
- 従業員の被災による人手不足：従業員自身や家族が被災することで、出勤できなくなるリスクがあります。
- 設備の損壊：工場や機械設備が損壊することで、生産活動が停止するおそれがあります。
- データの消失：サーバーやPC等の損壊により、重要なデータが消失するリスクがあります。
こうしたリスクが顕在化した場合、企業は大きな経済的損失を被るだけでなく、法的責任や社会的信用の失墜といった二次的な被害にも見舞われかねません。防災対策を怠ったことで、従業員の安全配慮義務を果たせなかったと判断された場合、損害賠償請求を受ける可能性もあるのです。
また、企業は社会の一員として、災害に強い地域社会の構築に貢献する社会的責任（CSR）も負っています。自社の防災対策を強化することで、地域全体の防災力向上にも寄与できるのです。
以上のように、防災対策は企業にとって極めて重要な課題と言えます。災害はいつ起こるか予測できません。平時から十分な準備を進めておくことが肝要です。
具体的な事例
では、実際に企業が災害に見舞われた事例を見てみましょう。
東日本大震災では、多くの企業が甚大な被害を受けました。例えば、自動車メーカーでは、部品メーカーの被災により、サプライチェーンが寸断。生産ラインが停止し、大幅な減産を余儀なくされました。また、小売業では、商品の調達が滞り、店舗の営業が困難になるケースが相次ぎました。
一方で、事前の防災対策が奏功した企業もあります。ある食品メーカーでは、東日本大震災の前から、全国の工場に緊急用の発電機を設置していました。震災によって停電が発生しても、生産ラインを稼働させ続けることができたのです。また、ある医薬品メーカーでは、重要データのバックアップを複数の拠点で行っていました。本社の設備が損壊しても、速やかに復旧することができました。
2016年の熊本地震でも、多くの企業が被害を受けました。ある電子部品メーカーでは、工場の損壊により、生産が大幅に低下。大手取引先への供給に支障が出る事態となりました。
2018年の西日本豪雨では、多くの企業が浸水被害に見舞われました。ある自動車ディーラーでは、展示車両や整備工場が水没。営業活動が大きく制限されました。
このように、災害はいつ、どこで起こるか分かりません。どの企業も、常に災害リスクと隣り合わせにあると言えます。だからこそ、日頃からの備えが重要なのです。
防災対策の目的
企業が防災対策を講じる目的は、大きく分けて二つあります。
一つは、従業員の安全確保です。災害時には、従業員の生命と健康を何より優先しなければなりません。そのためには、職場の安全性を高めるハード面での対策と、従業員の防災意識を高めるソフト面での取り組みが欠かせません。
もう一つは、事業継続の確保です。災害によって事業活動が停滞すれば、企業は大きな経済的損失を被ります。また、取引先や顧客からの信頼を失うことにもつながりかねません。これを避けるためには、事業継続計画（BCP）を策定し、災害時にも重要業務を継続、または速やかに復旧できる体制を整えておく必要があります。
この二つの目的を達成するためには、ハード面での対策とソフト面での取り組みを車の両輪として進めていくことが求められます。つまり、設備の耐震化や備蓄品の充実といったハード対策と、従業員の防災教育や訓練の実施といったソフト対策を、バランス良く組み合わせることが重要なのです。
防災グッズとは何か
ここからは、企業の防災対策を進める上で欠かせない、防災グッズについて詳しく見ていきます。
防災グッズとは、災害発生時に人命を守り、被害を最小限に抑えるための物資の総称です。食料や飲料水、医薬品、衛生用品など、生活に必要なものから、ヘルメットや防災ラジオ、発電機など、災害対策に特化したものまで、幅広いアイテムが含まれます。
企業の場合は、一般家庭とは異なる防災グッズが必要になります。例えば、サーバーのバックアップ装置や、衛星電話などの非常用通信機器、大容量の発電機や投光器など、業務の特性に応じた専門的な装備が求められます。
また、オフィスビルや工場など、不特定多数の人が集まる施設では、一般的な防災グッズに加えて、簡易トイレや救助用具、AEDなども必要になります。
防災グッズの種類と用途
では、具体的にどのような防災グッズが必要なのでしょうか。以下に、主要なアイテムを紹介します。
飲料水・食料品
飲料水：ミネラルウォーター、ペットボトル飲料など。1人1日3リットルが目安。
食料品：アルファ米、クラッカー、缶詰など。1人3日分が目安。
生活用品
毛布・寝袋：寒さ対策、床に敷いて使用。
衣類：下着、靴下、レインコートなど。
衛生用品：トイレットペーパー、ウェットティッシュ、生理用品など。
情報機器
ラジオ：電池式または手回し式。災害情報の収集に。
懐中電灯：停電時の照明として。予備の電池も必要。
携帯電話用バッテリー：スマートフォンの充電に。
医療品
常備薬：傷薬、胃腸薬、解熱鎮痛薬など。
外傷用品：消毒液、ガーゼ、包帯など。
救助用具
ロープ：がれきの除去や救助活動に。
バール：ドアや窓の開閉に。
工具セット：ペンチ、プライヤー、ドライバーなど。
その他
ヘルメット：落下物から頭部を保護。
軍手：ガラス片などから手を保護。
マスク：粉塵の吸入を防ぐ。
筆記用具：安否確認などの記録に。
これらのアイテムは、あくまで一例です。企業の業種や事業内容、立地条件などに応じて、必要なアイテムを選定することが重要です。例えば、工場では、耐熱服や保護メガネなども必要になるでしょう。オフィスでは、シュレッダーや金庫なども検討課題になります。
企業に必要な防災グッズの導入
企業が防災グッズを導入する際は、以下の点に留意しましょう。
災害リスクの把握
地震、津波、洪水など、立地条件に応じたリスクを把握する。
過去の災害事例を参考に、被害想定を行う。
必要数量の算出
従業員数や施設の規模に応じて、必要な数量を算出する。
3日分の備蓄が基本だが、地域や業種に応じて調整する。
保管場所の選定
災害時に速やかに取り出せる場所を選ぶ。
分散保管も検討し、リスクを分散する。
定期的なメンテナンス
賞味期限や使用期限を定期的にチェックする。
劣化や破損がないか、定期的に点検する。
使用方法の周知徹底
全従業員に対して、使用方法を説明する。
定期的に訓練を行い、使用方法を体得してもらう。
以上の点に注意しながら、計画的に防災グッズを導入していきましょう。
防災グッズの活用方法
防災グッズは、導入するだけでは意味がありません。災害時に速やかに使用できるよう、日頃から活用方法を確立しておく必要があります。以下に、ポイントを示します。
配布方法の確立
誰がどのタイミングで配布するか、ルールを決めておく。
拠点ごとに担当者を決め、配布体制を整備する。
優先順位の設定
人命に直結する物資（水、食料、医療品など）を最優先で配布する。
拠点の重要度に応じて、配布順序を決める。
定期的な訓練の実施
年1回以上の頻度で、防災グッズの使用訓練を行う。
訓練を通じて、問題点を洗い出し、改善につなげる。
マニュアルの整備
防災グッズの使用手順をマニュアル化する。
図や写真を使って、わかりやすく説明する。
情報共有の徹底
防災グッズの在庫状況や配布状況を、関係者で共有する。
在庫の過不足を速やかに把握し、調整する。
日頃からこうした活用方法を確立し、定着させておくことが重要です。
【番外編】災害時にウォーターサーバーはどう活躍する？
企業にウォーターサーバーを導入することで、災害時の飲料水確保にメリットがあります。ウォーターサーバーに備蓄された大型ボトルの水は、災害発生後の混乱期に、従業員への飲料水供給を可能にします。これにより、被災直後の数日間、従業員の水分補給を確保することができ、事業継続や復旧活動を支援します。
出典元：https://premium-water.net/
非加熱処理で天然の風味を残す
- プレミアムウォーターは非加熱処理により、ナチュラルミネラルウォーターの本来の味わいを損なわずに提供。
- 非加熱の除菌処理で、生の天然水が持つ溶存酸素や天然ミネラルを活かし、原水の雄大な自然が生み出す美しさを引き継ぐ。
- モンドセレクション等の権威ある品評会でも高評価。
洗練されたデザインと豊富なラインアップ
- シンプルでモダンなデザインのウォーターサーバーが魅力。
- 人気家電ブランド「amadana」とのコラボレーションモデルなど、スタイリッシュでおしゃれなラインアップ。
- 縦長ロングタイプ、コンパクトショートタイプ、重量分散下置きタイプなど、設置場所やニーズに合わせて選択可能。
安全・安心への徹底対策
- 4段階以上の除菌フィルターで安全性を確保。
- お客様へは使い捨ての新品ペットボトルで配送し、汚染リスクを軽減。
- ウォーターサーバーには、チャイルドロック機能を標準装備し、お子様の誤操作を防止。
- 採水地から最終工程まで、徹底した安全衛生管理の下で製造・供給。
その他の特長
- 高品質な天然ナチュラルミネラルウォーターを毎日楽しめる。
- 宅配便で受け取ったお水はそのまま処分できるワンウェイ方式で、持ち運びや洗浄の手間が不要。
- 公式アプリでいつでも配送日の確認や変更、追加注文が可能で利便性が高い。
- 飲んだお水の本数に応じてポイントが貯まり、プレミアムモールの商品を割安で購入できる。
まとめ
本記事では、企業における防災対策の重要性と、その中核をなす防災グッズについて解説してきました。
災害大国・日本において、企業が災害リスクと無縁でいることは不可能です。いつ災害が起きても対応できるよう、日頃から備えを怠らないことが肝要です。その際、従業員の安全確保と事業継続の両立を目指し、ハード面とソフト面の対策をバランス良く進めることが重要です。
防災グッズは、企業の防災対策の要（かなめ）と言えます。災害リスクや事業特性に応じて必要なアイテムを選定し、計画的に導入することが求められます。さらに、配布方法や使用方法を確立し、定期的な訓練を通じて実効性を高めていくことも欠かせません。
企業には、従業員の安全を守り、事業を継続させる責務があります。経営者は、防災対策の重要性を再認識し、リーダーシップを発揮しながら、全社を挙げた取り組みを進めていく必要があります。また、防災意識の高い企業文化を醸成し、従業員一人ひとりの自助・共助の意識を高めていくことも大切です。
災害はいつ起きるか分かりません。しかし、日頃からの備えがあれば、その影響を最小限に食い止めることができるはずです。本記事を参考に、企業の防災対策を見直し、実践につなげていただければ幸いです。
