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【法人向け】水道料金のコスト削減方法と負担が重くなる理由

作成者: ビズソル編集部|2023.7.31

「以前よりも水道料金が高い」と感じている事業者は少なくありません。原因のひとつとして、水道料金の値上げがあげられます。利益を増やすため、コストを削減したいと考えている事業者は多いでしょう。水道料金は、従業員の意識を改革するなど、いくつかの取り組みで削減できる可能性があります。この記事では、水道料金の推移と水道料金が高くなる理由、事業者が取り組めるコスト削減方法を解説しています。以下の情報を参考にすれば、現状を改善するきっかけを見つけられるはずです。

過去10年の水道料金の推移

公益社団法人日本水道協会が発表している「令和2年度 水道統計総論」によると、2020年における水道料金の全国平均は10立方メートルあたり1,564円です。2010年時点の全国平均は10立方メートルあたり1,442円であったため、10年間で122円上昇しています。仮に、1ヶ月の水道使用量が30立方メートルであれば、1ヶ月あたり366円、1年あたり4,392円の負担増です。

ちなみに、2000年時点の全国平均は10立方メートルあたり1,450円、2005年時点の全国平均は10立方メートルあたり1,451円でした。右肩上がりで水道料金は上昇を続けており、高止まりしていることがわかります。なぜ、水道料金は値上がりを続けているのでしょうか。

出典:公益社団法人日本水道協会「令和2年度 水道統計総論」

水道料金の値上がりが続く主な要因

値上がりが続く原因を押さえるため、理解しておきたいのが水道料金の仕組みです。水道料金は、以下の費用などで構成されます。

  •  職員給与費

  • 減価償却費

  • 支払利息

  • 受水費

  • その他

これらの合計を利用者で除して水道料金を求めます。したがって、人口が減少すると、原価を構成する費用に変動がなくても水道料金は高くなります。日本の人口は、2008年をピークに減少を続けています。水道料金は今後も上昇を続ける可能性が高いといえるでしょう。

もうひとつの主な原因として、水道設備の老朽化もあげられます。水道管路の法定耐用年数は40年ですが、高度経済成長期に整備された施設の更新は進んでいません。厚生労働省が発表している資料によると、2011年における管路更新率の全国平均は0.77%です。

出典:厚生労働省「管路の老朽化の状況」

無意識節水(節水機の普及による水道使用量の減少)などもあり、水道事業の収入は減少傾向とされています。このような中で、設備の老朽化に対処しなければならないため水道料金は値上がりしていると考えられているのです。

出典:総務省自治財政局公営企業経営室「水道事業についての現状と課題」

値上がりだけじゃない!水道代が高くなる原因

水道料金が高い原因は、値上げだけではありません。次の原因などでも高くなってしまいます。

水を使い過ぎている

水道料金は、基本料金と従量料金で構成されます。基本料金は水道の使用量に関係なく発生する固定料金ですが、従量料金は、使用量に応じて料金が変動します。したがって、 何かしらの理由で水を使いすぎると水道料金は高くなります。 具体的な理由はケースで異なりますが、調理や洗い物をするときに水を出しっぱなしにしていた、普段よりも水を使用する業務の割合が高かったなどが考えられるでしょう。値上げだけに原因を求めず、使用状況を確認することも重要です。

水漏れが発生している

普段と同じように使用しているにもかかわらず、水道料金が急激に高くなっている場合は、水漏れが発生している可能性があります。目視で確認できない場合も安心はできません。隠れている箇所で水漏れしているケースもあるからです。水漏れの有無は、水道メーターのパイロット(円形の部品)で確認できます。水を使用していない状況でこの部分が回転している場合は、水漏れしている可能性が高いと考えられます。必要に応じて、水道業者などへ相談しましょう。

メーターの故障

水道料金が急激に高くなっているときは、水道メーターの故障も疑われます。上記2つの原因が確認できない場合は、水道局へ問い合わせて故障の有無を調べるとよいでしょう。水道料金が高くなっている原因を絞り込めます。故障が見つかれば、費用負担なしで交換できます。

【法人向け】水道料金のコスト削減方法

飲食店、宿泊施設、フィットネスクラブなどにとって、水道料金は事業を行うため使用する経費です。したがって、水道料金の削減は利益の増加につながります。できるだけ削減したいコストといえるでしょう。ここでは、事業者が取り組みたい水道料金の削減方法を紹介します。

(★☆☆)従業員への意識付け

業種を問わず今すぐ取り組める削減方法として、従業員の意識改革があげられます。日本人の中には「水と安全はタダ」と考えている方がいます。コスト意識をもたず従業員が水を使っていると、水道料金を削減できません。基本の対策として、従業員へ節水を呼びかけましょう。呼びかけ方はさまざまですが、ミーティングで無駄遣いを控えるように指導する、水回りに節水を呼びかける貼り紙をするなどが考えられます。貼り紙をする場合は、お客様から見えないようにするなどの配慮が必要です。

(★☆☆)水漏れや故障がないか確認する

水漏れや故障は、水道料金の上昇を招きます。コスト増が気になるときは、これらの確認も必要です。店舗や事業所で水漏れ、故障が発生している場合は、水道修理業者へ相談できます。軽微な水漏れ、故障であれば自分で対処できることもありますが、後に大きなトラブルに発展するケースがあるため、基本的にはプロに相談するほうがよいでしょう。

(★☆☆)水の「つけおき」を行う

食器洗いなどで「つけおき」を徹底すると、水道料金を削減できる可能性があります。水の使用量を減らせるからです。東京都水道局の発表によると、5分間流しっぱなしで食器洗いをしたときに使用する水の量は約60リットルです。1分間に流れる水の量は12リットル(60リットル÷5分)であるため、つけ置き洗いですすぐ時間を1分間にすると「容器に貯めた水の量+12リットル」まで節水できます。業種によっては、コスト削減につながるでしょう。

出典:東京都水道局「くらしと水道」

(★★☆)毎月の水道料金を見える化する

事業所単位あるいは店舗単位で節水に取り組むため、従業員に当事者意識をもってもらう必要があります。当事者意識が欠如すると、責任者の前だけで節水に取り組むなどが考えられるでしょう。意識を変えるため有効なのが、水道料金の見える化です。具体的な取り組みとして、水道料金の推移をグラフ化して掲示するなどがあげられます。毎月の水道料金を事業所や店舗で共有すると、従業員は節水を自分事化しやすくなります。コスト意識が高まるため、水道料金削減に有効です。

(★★☆)自家水道システムを導入する

自家水道システムは、自施設内で水をまかなうシステムです。基本的には、井戸から汲み上げた水を処理して使用します。飲用・その他に利用可能です。上水道から水をまかなう必要がなくなるため、水道料金を大幅に削減できる可能性があります。料金は、初期費用・メンテナンス費用などがかからず水道使用料がかかるESCO方式と、水道使用料がかからず初期費用・メンテナンス費用などがかかる買い取り方式に大別されます。いずれにせよ、一定の料金がかかるため、詳細を確認してから導入する必要があります。

(★★☆)下水道料金減免制度を活用する

水道料金には、基本的に下水道料金が含まれています。下水道料金は、使用水量がすべて下水道へ流れたものとして算出されます。実際は、使用水量すべてが下水道へ流れるわけではありません。例えば、ボイラーを使用すると一部の水は蒸発します。下水道へ流れていない水を消失水(または減水量)といいます。具体的な条件は自治体で異なりますが、消失水が一定量以上の場合は下水道料金の減額を受けられる可能性があります。東京都下水道局の条件は、以下の通りです。

1月あたりの減水量が総使用水量の10%以上を占めるもの。

ただし、1月あたりの総使用水量が1000m3を超えるものにあっては1月あたりの減水量が100m3以上のもの。

引用:東京都下水道局「減量制度について」

認定にあたっては、書面審査、現場調査などが必要です。現場調査では、配管や量水器などの設備、管理状況を審査します(東京都下水道局の場合)。消失水が多い場合は検討したいコスト削減方法です。

(★★★)節水機器を導入する

節水機器でも、水道料金を削減できる可能性があります。具体的な仕組みは製品で異なりますが、使用する水の量を減らせるからです。例えば、水に外気を取り入れて使用量を減らすものや水の流量を抑えることで使用量を減らすものなどがあります。使用感を損なわない節水機器であれば、幅広い事業所や店舗で活用できるでしょう。

おすすめの節水サービス

次世代節水装置JET(ジェット)


出典元:http://www.jet-leisure.net/

次世代節水装置JET(ジェット)は、水の使用量を削減し、水道料金を節約するための製品です。以下はJETの概要です。

  1. 特許と技術: JETは、世界6カ国で特許を取得しており、空気混入型節水アダプターと蛇口用通水アダプターの技術を採用しています。

  2. 節水機能: この装置は、蛇口やシャワーに取り付けることで、最大50~30%の節水を可能にします。空気混入技術により、水量を減少させつつも快適な使用感を保持しています。

  3. 分析と導入実績: 日本食品分析センター、日本総合住生活株式会社、早稲田環境研究所などの第三者機関による製品分析が行われており、全国で15000以上の施設や店舗に導入されています。

  4. 利用者の満足度: JETは25万個以上の取り付け実績があり、利用者からの高い満足度を得ています。

  5. コストと導入: 初期費用や施工費は0円で、削減された水道料金からの支払いで導入が可能です。また、装置のレンタルも同様に0円です。

  6. メンテナンス: JETはメンテナンスフリーで、使い心地にもこだわりがあります。

他にも、自動水栓や手元一時止水機能付きシャワーヘッドなど、節水を実現するための様々な製品が市場には存在しますが、JETは特にその節水効果と使い心地のバランスが評価されている製品です。

まとめ

多少の変動はあるものの、水道料金は値上がりが続いています。人口減少が続いているうえ、水道設備の老朽化も進んでいるため、今後もこの傾向は続くと予想されます。飲食店、宿泊業など、水道使用量が多い事業者にとっては厳しい状況といえるでしょう。

ただし、水道料金が高い理由は、値上げ以外にも存在します。何かしらの原因で水の使用量が増えると水道料金は高くなります。コストを削減したい場合は、従業員の意識改革や水漏れのチェックなどが欠かせません。また、水道料金を見える化する、節水機器を導入するなどの対策でも、水道料金を削減できる可能性があります。

高額な水道料金にお悩みの方は、この記事で紹介した内容を参考に、コスト削減を目指してみてはいかがでしょうか。