この記事では、営業リストが枯渇しやすい理由や質の高い顧客リストの集め方などについて、詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
はじめに営業リストが枯渇しやすい理由について、以下の2点から詳しく解説します。
BtoBビジネスはターゲットが限られている
「質」より「数」が重要と誤認している
1つ目の理由は、そもそもBtoBビジネスのターゲットが限られてしまっていることです。個人と企業どちらを対象とするかを考えてみればわかることですが、そもそもBtoBビジネスでターゲットとする顧客はどうしても少なくなってしまいます。
加えて、ターゲットとなる企業の会社規模や地域、業種、ニーズなどでそれを絞り込んでいくわけですから、さらにターゲット数は少なくなってしまいます。まずはこの事実をしっかりと認識しておくことが重要です。
そもそもターゲットとなる候補が少ないのですから、個人の膨大な数のリストに当たるように「数撃ちゃ当たる」の営業活動を行っていても、すぐにリストは枯渇してしまうのは当然といえるでしょう。
2つ目の原因は、営業リストは「質」よりも「数」が重要と誤認していることです。いざテレアポなどの営業活動をするとなると膨大な数の営業リストに自分を奮い立たせ、安心する人も少なくありません。
しかし、そもそも営業リストを活用する目的は、アポイントを取ったり見込み顧客を獲得したりすることのはずです。つまり、営業リストが枯渇しているという状態は、これらの成果が思うように出ていない状況であるはずです。成果が上る可能性の低い顧客を並べた営業リストの数を、いくらそろえても意味がありません。むしろ、無駄な活動にリソースを多く割かれてしまうだけです。
本来の目的は何なのかをしっかりと認識した上で、適切な営業リストをそろえることが重要といえます。
営業活動において営業リストは、必要不可欠なものです。ここでは、営業リストが枯渇した場合にどのような対策をするべきかについて、以下の6点から詳しく解説します。
イベントやセミナーに足を運ぶ
新規開拓だけでなく既存開拓にも目を向ける
ネット検索だけでなく、SNS検索も活用する
自社にある名刺情報を活用する
過去NGリストに再アプローチする
リストを業者から購入する
1つ目の対策は、イベントやセミナーに足を運ぶことです。基本的に悩みや課題、興味がない人が、商品やサービスの購入を検討することはありません。
そういった点でイベントやセミナーにはそれぞれテーマが設定してあり、同じような悩みやニーズをもった人や企業が集まっています。そのため、自社のターゲットとなりうる顧客に絞り込まれているということです。
自社の商品やサービスの成約につながりやすい見込み顧客となるため、積極的に交流し顧客リストを集めましょう。
2つ目の対策は、新規開拓だけでなく、既存開拓にも目を向けることです。顧客リストを作るとなると、多くの担当者がこれまで取引のない新規顧客をイメージしますが、実は既存顧客の開拓にチャンスがあることを忘れてはいけません。
既存顧客は、自社のなんらかの製品やサービスに興味をもち、購入してくれているわけですから、アポイントも新規顧客に比べると取りやすくなります。
また、顧客のニーズや予算感なども把握しやすいので、成約にもつながりやすく、有効な顧客リストになるでしょう。
3つ目の対策は、ネット検索だけでなく、SNS検索も活用することです。近年ではインターネット上の企業HPをもたなくても、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSの上に企業ページをもっているという企業が増えています。
SNSでは企業側からの発信だけでなく、フォロワーとのコメントでのコミュニケーションなど、公式HP上では見られないような情報を得られる可能性もあります。インターネット検索ではヒットしない企業も顧客リストに挙げられて、企業の雰囲気や特徴を把握できる点は、SNS検索の強みでしょう。
4つ目の対策は、自社にある名刺情報を活用する方法です。自社の社員が、顧客訪問やセミナー、展示会、交流会などで獲得した名刺をかき集め、顧客リストを作成しましょう。過去に自社となんらかの関係をもっていることから、自社をすでに認知してくれており、まったく交流のない顧客に比べて、アポイントを取りやすくなります。
また、名刺を整理することで属人化しやすい顧客情報が共有化できる点でも、この方法は有効です。最近は名刺を写真でとるだけでリスト化できる名刺管理ツールなどもあるため、自社の用途に合わせて導入を検討してもいいでしょう。
さらに、リスト化する際には過去の交流の際にどのような話をしたか、顧客の印象はどうだったかなど、担当者がもつ定性的な情報も一緒にリスト化しておくと、より営業活動が効率化できます。
5つ目の方法は、過去NGリストに再アプローチする方法です。
過去NGリストとは、
過去に商談はあったが他社に取られた
提案したが保留されたまま自然消滅した
アポイントの日程調整がうまくいかず自然消滅した
など、なんらかの理由で成約に結びつかなかった顧客のことです。一度断られたり、うまくアポイントが取れなかったりした顧客を顧客リストから外してしまう人が多くいますが、これはあまりよくありません。
たとえば商談があったということは、少なからず話を聞いてもらえる機会はあったということです。仮に受注に至らなかった原因が、タイミングや予算の問題であれば、再度アプローチすることで、商談の機会を貰えるかもしれません。
また、アポイントがうまく取れなかった顧客も、実は連絡を忘れていたというだけで、再度連絡を取ると、アポイントできたということは少なくありません。少なくともなんらかの関わりをもったことがある顧客は、有効な顧客リストとなりえますので、過去のアポイントメントや商談リストなどから、取引のない顧客をリストアップするのも有効な対策といえます。
6つ目の対策は、リストを業者から購入する方法です。有名な企業リストは「帝国データバンク会社年鑑」や「日経テレコン」、「四季報」などがあります。また、有名な企業リスト以外にも、営業活用できるセグメント別に、さまざまな企業リストが提供されています。
リストを購入する最大のメリットは、自社でリストを調査・作成する手間を大幅にカットできる点です。本来の業務である営業活動に集中できるので、営業リストが枯渇した場合の有効な手段といえます。
有効なリストを入手するポイントは、購入する際に自社のターゲットとなる業界や企業規模、エリアなどのセグメンテーションをしておくことです。リスト購入は少なからずターゲットにならない企業が含まれてしまうため、できるだけ質の高いリストを入手できるような工夫をしておくことが重要です。
ここまで顧客リストが枯渇した際に作成する方法を解説しましたが、営業活動そのものまで外部に委託してしまうのも、有効な方法です。
ここでは営業活動を委託する代表的なサービスとして、以下の2つをご紹介します。
営業代行サービス
マッチングサービス
1つ目のサービスは、営業代行サービスです。営業代行サービスは「営業コンサルティング」「アポイント獲得」「訪問セールス」などの営業機能を代行してくれるサービスで、サービス内容は企業ごとに異なります。
営業代行サービスの最大のメリットは、自社の営業人員の不足を補える点です。新規事業の立ち上げなど、スピードが求められるシーンで、どうしても営業人員がすぐにはそろえられない場合などに有効な方法といえます。営業に特化したスキルのある営業人材を手軽に活用できるため、自社の人材がそろっていない場合でも成果につながりやすいです。
また、営業代行サービスは独自のリストやナレッジ、ノウハウを保有しており、自社の営業人員の育成やノウハウの蓄積にも有効な点もメリットといえるでしょう。ただし、営業代行会社ごとに提供されるサービスや得意な業界も異なります。営業代行サービスを依頼する際は、営業実績や口コミなどもしっかり調査した上で選ぶのがポイントです。
2つ目のサービスは、マッチングサービスです。マッチングサービスとは、自社の製品やサービスを売りたい売り手と、課題やニーズをもつ買い手の企業を結びつける仲介サービスのこと。マッチングサービスで獲得した顧客は、自社の扱う製品・サービスにあった悩みや課題をもっており、質の高い見込み顧客となる可能性が高い点が特徴です。
また、マッチングサービスを利用することで、営業電話でのアポイントメントでは、アプローチすら難しいような大手企業も、顧客リストになる可能性がある点は中小・零細企業にとって大きなメリットとなります。
営業リストが枯渇すると、なんでもいいから顧客リストを補充しなければと焦ってしまいがちです。しかし、見込み顧客になりづらい質の悪い顧客リストをいくら作ったところで、成果にはつながりません。重要なのはいかに成果につながりやすい、質の高い顧客リストを作るかです。
自社に関連するセミナーなどへの参加や、過去に接点のあった顧客のリスト化など、自社のターゲットとなりうる情報をできる限り集めリスト化するなど、この記事を参考にできるだけ質の高い顧客リストを作成しましょう。
また、顧客リストだけでなく営業活動そのものを外部に委託できれば、少ない営業リソースで大きな成果につなげられる可能性もあります。この記事を参考に、営業活動に有効な顧客リストの作成に取り組んでみてはいかがでしょうか?