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人事と労務の違い|法人向けの業務内容と役割を徹底解説

作成者: ビズソル編集部|2024.5.15

企業経営において、人事と労務はともに欠かせない重要な役割を担っています。しかし、両者の業務内容や役割は明確に異なります。この記事では、人事と労務の違いについて詳しく解説し、それぞれの部門の特性を理解することで、適切な業務遂行や人材の活用につなげていきます。

また、人事労務管理を効果的に行うためには、適切なツールの選定も重要な要素となります。人事情報システムや勤怠管理システムなど、業務の効率化と高度化を支援するITツールは多岐にわたります。各社の規模や業態、課題に応じて、最適なツールを選定し、運用することが求められます。単なるコストダウンのためではなく、従業員の生産性向上やエンゲージメント向上につながるツールの活用が、人事労務管理の高度化につながるでしょう。

本記事では、人事と労務の違いを明確化するとともに、効果的な人事労務管理のためのポイントや、ツール選定の考え方についても触れていきます。これらの情報を踏まえることで、自社の人事労務管理の改善に向けた一助となれば幸いです。

人事の主な業務内容

人事部門は、企業の人材に関する様々な業務を担当しています。主な業務内容は以下の通りです。

人材採用

人事部門は、新卒及び中途採用を担当し、企業に必要な人材を確保します。募集要項の作成、面接の実施、採用決定など、採用プロセス全般を管理します。優秀な人材を見極めるために、職務に必要なスキルや経験、そして企業文化へのフィット性を総合的に評価します。また、採用ブランディングにも注力し、優秀な人材を惹きつける魅力的な企業イメージを構築します。ダイバーシティ&インクルージョンにも配慮し、多様な背景を持つ人材の採用を推進することで、イノベーションの創出や組織の活性化につなげます。

人材育成

採用した従業員のスキルアップを図るため、人事部門は研修やプログラムを企画・実施します。新入社員研修、階層別研修、専門スキル研修など、従業員のキャリア段階に応じた育成プランを立案し、人材の成長を支援します。加えて、OJTやメンターによる個別指導、eラーニングの活用など、多様な学習機会を提供することで、従業員の主体的な能力開発を促進します。さらに、グローバル人材の育成にも注力し、語学研修や海外赴任プログラムを通じて、国際競争力のある人材を育成します。これらの取り組みにより、従業員のモチベーション向上とともに、企業の競争力強化につなげます。

人材評価

人事部門は、従業員の業績や能力を公平に評価するための制度を設計し、運用します。目標管理制度や人事評価制度を構築し、従業員の頑張りを正当に評価することで、モチベーションの維持・向上を図ります。評価の際には、業績だけでなく、職務遂行能力やコンピテンシーなども考慮し、多面的な評価を行います。また、上司と部下の定期的な面談を通じて、フィードバックを行い、従業員の成長をサポートします。評価結果は、給与や昇進、ローテーションなどに反映させ、従業員のキャリア形成を支援します。公正性と透明性を確保するために、評価基準の明確化や評価者トレーニングにも力を入れ、評価制度への信頼性を高めます。

配属先の決定

人事部門は、従業員のスキルや適性、キャリアビジョンを見極め、適切な部署への配属を行います。個人の強みを活かせる職場環境を提供することで、従業員のパフォーマンス向上と職場の活性化を促進します。配属先の決定に際しては、本人の希望とともに、組織の要員ニーズや将来的な人材育成の観点も考慮します。また、ジョブローテーションを計画的に実施し、従業員のスキル拡大や組織の活性化を図ります。さらに、人材流動を管理し、組織全体のバランスを保つことも重要な役割です。優秀人材の流出防止策や、組織の年齢構成の適正化なども視野に入れ、中長期的な人材戦略に基づいた配属・ローテーションを実施します。

加えて、人事部門は以下のような業務も担当します。

組織開発

組織の課題を分析し、組織構造や業務プロセスの改善を行います。チェンジマネジメントを推進し、従業員の意識改革や新しい働き方の定着をサポートします。

報酬制度設計

従業員のモチベーション向上と組織の生産性向上を両立させる報酬制度を設計します。職務評価に基づく等級制度の構築や、業績連動型報酬の導入などを行います。

労使関係管理

労働組合との交渉や協議を行い、労使間の円滑なコミュニケーションを促進します。就業規則の整備や、労使トラブルの予防・解決にも取り組みます。

以上のように、人事部門は採用から育成、評価、配置に至るまで、従業員のライフサイクル全般に関わる重要な役割を担っています。組織の成長と従業員の能力開発を両輪で支援することで、企業の持続的な発展に貢献しています。

労務の主な業務内容

労務部門は、従業員の労働条件や職場環境に関する業務を担当しています。主な業務内容は以下の通りです。

勤怠管理

労務部門は、従業員の出勤状況を管理し、法定労働時間の遵守を確保します。タイムカードや勤怠管理システムを用いて、正確な勤務時間の記録と集計を行います。また、労働基準法に基づく適切な労働時間管理を行い、従業員の健康と福利を守ります。残業時間の抑制や年次有給休暇の取得促進にも取り組み、ワークライフバランスの実現を支援します。さらに、フレックスタイム制やテレワークなど、多様な働き方を導入する際の制度設計や運用ルールの策定にも関与します。

給与計算

従業員の労働時間や出勤状況に基づき、正確な給与の計算を行います。基本給、残業代、各種手当など、給与体系に則った計算処理を行い、適切な給与支払いを実施します。また、年末調整や社会保険料の計算など、給与に関連する事務作業も労務部門の重要な業務です。給与計算の際には、法改正や社会保険料率の変更など、最新の情報を常に把握し、適切に対応することが求められます。さらに、給与明細の発行や従業員からの問い合わせ対応など、きめ細やかなサービスを提供することも重要です。

社会保険手続き

労務部門は、従業員の健康保険や雇用保険などの社会保険手続きを管理します。入社時や退職時の手続き、保険料の納付、従業員の扶養家族の管理など、社会保険に関する一連の業務を担当します。従業員の福利厚生を維持し、安心して働ける環境を提供することが労務部門の役割です。また、社会保険の加入状況や給付内容について、従業員からの問い合わせに適切に対応し、必要な情報提供を行います。行政機関との折衝や、法改正に伴う手続きの変更などにも迅速に対応し、コンプライアンスを徹底します。

安全衛生管理

労務部門は、職場の安全対策や健康管理を行い、快適な労働環境を提供します。労働安全衛生法に基づき、安全教育の実施、危険箇所の点検・改善、健康診断の実施など、従業員の安全と健康を守るための取り組みを行います。また、メンタルヘルスケアにも注力し、従業員のストレスマネジメントをサポートします。ストレスチェックの実施や、カウンセリング体制の整備、メンタルヘルス研修の開催など、予防と早期発見・対応の両面から、従業員の心の健康を支えます。さらに、職場の感染症対策や、災害時の安否確認・事業継続計画の策定など、リスクマネジメントにも取り組みます。

加えて、労務部門は以下のような業務も担当します。

就業規則の整備

就業規則は、企業と従業員の権利義務関係を定めた重要な規程です。労務部門は、法改正や組織変更に合わせて就業規則を整備し、従業員への周知徹底を図ります。

ハラスメント防止対策

セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど、職場におけるハラスメントを防止するための取り組みを行います。相談窓口の設置や、研修の実施、事案発生時の調査・対応など、ハラスメントのない健全な職場環境の実現を目指します。

人事データの分析

勤怠データや人件費データなど、労務に関する各種データを分析し、課題の発見や改善策の立案を行います。人事情報システムを活用し、データに基づく戦略的な労務管理を推進します。

グローバル人事への対応

海外拠点の労務管理や、外国人従業員の雇用手続きなど、グローバル人事に関する課題にも対応します。現地の労働法規や慣行を踏まえた労務管理を行い、グローバル企業としての競争力強化を支援します。

以上のように、労務部門は従業員の労働条件や職場環境に直結する重要な役割を担っています。法令遵守を徹底しつつ、従業員の満足度向上と組織の生産性向上を両立させる労務管理を実践することが求められます。また、ダイバーシティ&インクルージョンの観点から、多様な働き方の実現や、誰もが活躍できる職場づくりにも貢献します。

人事と労務の相違点

人事と労務の主な相違点は、業務の焦点が異なる点です。人事部門は、主に人材の採用、育成、評価、配置など、人材マネジメントに重点を置いています。一方、労務部門は、労働条件や職場環境の管理、法令遵守など、従業員の労働に関する事項に特化しています。

また、人事部門には、人材の能力を見抜く「目利き力」や、人材育成のための「コーチング力」が求められます。加えて、組織の将来を見据えた戦略的な人材配置や、組織文化の醸成といった、長期的な視点での人材マネジメントも重要な役割です。一方、労務部門には、労働法規に関する専門知識と、きめ細やかな事務処理能力が必要とされます。日々の勤怠管理や給与計算といった定型業務を確実に遂行するとともに、労使間の調整役としての役割も求められます。

さらに、人事部門と労務部門では、扱う情報の性質も異なります。人事部門は、従業員の個人情報や評価情報など、機密性の高い情報を取り扱います。そのため、情報管理の徹底と、公正な運用が求められます。一方、労務部門は、勤怠データや人件費データなど、定量的な情報を扱うことが多く、データ分析を通じて課題の発見や改善策の立案を行います。

ただし、人事と労務は、密接に関連する部門であり、両者の連携が不可欠です。例えば、人事部門が策定した人材育成方針を、労務部門が研修の実施や勤怠管理を通じて支援するといった協力体制が必要です。また、働き方改革や生産性向上といった課題に取り組む際には、人事と労務が一体となって、制度設計や運用ルールの見直しを行うことが求められます。

効果的な人事労務管理のためのヒント

効果的な人事労務管理を行うためには、以下のようなポイントが重要です。

  1. 人事と労務の連携強化ー両部門が情報を共有し、連携して業務を遂行することで、より効果的な人材マネジメントが可能になります。定期的な会議の開催や、共通の目標設定などを通じて、連携を深めることが重要です。
  2. 従業員とのコミュニケーションー従業員の声に耳を傾け、ニーズや不満を把握することで、適切な対応策を講じることができます。従業員満足度調査や、個人面談の実施、社内SNSの活用など、多様なチャネルを通じて従業員との対話を重ねることが求められます。
  3. 法令遵守の徹底ー労働基準法をはじめとする関連法規を確実に遵守し、コンプライアンス経営を推進することが重要です。法改正の動向を常に把握し、社内規程や運用ルールに反映させる必要があります。また、従業員への教育・啓発活動を通じて、コンプライアンス意識の浸透を図ることも重要です。
  4. IT活用による業務効率化ー勤怠管理システムや人事評価システムなど、ITツールを活用することで、業務の効率化と精度向上を図ることができます。単なる業務の自動化にとどまらず、AIやビッグデータ分析といった先進技術を取り入れることで、より高度な人事労務管理を実現することも可能です。
  5. 戦略的な人材マネジメントー企業の経営戦略や事業戦略と連動した人材マネジメントを行うことが重要です。必要な人材像を明確化し、採用、育成、配置、評価の各施策を戦略的に設計・実行することが求められます。また、将来の事業展開を見据えた人材パイプラインの構築や、後継者育成にも注力する必要があります。
  6. ダイバーシティ&インクルージョンの推進ー多様な人材が活躍できる職場環境を整備することが重要です。性別、年齢、国籍、障がいの有無などに関わらず、全ての従業員が能力を発揮できるよう、制度や風土の改革に取り組むことが求められます。また、ワークライフバランスの実現や、柔軟な働き方の導入などを通じて、従業員のエンゲージメント向上を図ることも重要です。

実際に、これらのポイントを踏まえて効果的な人事労務管理を実践している企業もあります。例えば、A社では、人事と労務の定期的な会議を開催し、情報共有と連携強化を図っています。また、経営戦略に基づく人材要件を明確化し、必要なスキルセットを備えた人材の採用・育成に注力しています。B社では、従業員満足度調査を定期的に実施し、従業員のニーズを把握した上で、労働環境の改善に取り組んでいます。在宅勤務やフレックスタイム制の導入など、多様な働き方を推進することで、従業員のモチベーション向上と生産性向上を実現しています。

C社では、AIを活用した人材マネジメントシステムを導入し、採用や配置、評価の高度化を図っています。従業員の適性や成長ポテンシャルを可視化することで、最適な人材配置と育成施策の立案が可能になっています。D社では、ダイバーシティ&インクルージョンを経営戦略の中核に据え、女性管理職の登用や、外国人従業員の積極採用など、多様性を尊重する組織文化の醸成に力を入れています。

これらの先進事例に共通しているのは、人事と労務が連携し、従業員との対話を重視しながら、戦略的な人材マネジメントを実践している点です。単なる制度の運用にとどまらず、企業の競争力の源泉である「人材」を活かすための不断の取り組みが、効果的な人事労務管理につながるのです。

人事にとっても労務にとっても助かる「打刻keeper」

業務効率化のため、新たに勤怠システムなどを導入しようと検索を行っても、近年では多くのクラウド勤怠管理システムが存在し、どれが自社に最適なサービスなのか見極めるのは難しく、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

また、実際に導入してみたものの、使い勝手に不便な点があったり、「もっとここがこうなっていれば作業が楽になるのに」といった要望をお持ちの方が多いのも現状です。

次に紹介する「打刻keeper」は、自社独自のルールなどにも対応可能な、カスタマイズ性の高いサービスです。オリジナルの勤怠管理システムを導入することができるため、自社のニーズに合わせた最適なシステムを構築できます。


出典:https://www.dakoku-keeper.com/index.html

打刻keeperは、企業の就業管理に関する様々な悩みを解決し、効率的な勤怠管理を実現するために開発されたクラウド型システムです。シフト作成から打刻、勤怠集計、データ分析まで、就業管理に必要な機能を幅広くカバーしており、業務の効率化と生産性の向上に大きく貢献します。

打刻keeperの主な特徴は以下の通りです。

  1. 企業の就業規則に合わせて自由にカスタマイズ可能
  2. 多様な打刻方法に対応し、環境に合わせた最適な選択が可能
  3. 柔軟な集計機能とデータ出力で、分析とレポーティングを効率化
  4. 従業員のセルフマネジメントを促進するマイページ機能
  5. 自動シフト作成など、高度なシフト管理機能を搭載
  6. 従業員ごとのルール設定やアラート機能で、きめ細やかな管理が可能
  7. 外部サービスとの連携で、情報共有とコラボレーションを促進
  8. 細かな設定とオーダーメイドで、企業独自の運用に対応

打刻keeperを導入することで、労務管理の様々な課題を一挙に解決できます。業務の自動化と最適化により、作業時間の短縮と労務人件費の削減を同時に実現可能です。また、従業員のセルフマネジメントを促進し、エンゲージメントの向上にも寄与します。

他社サービスとの差別化ポイントは、企業独自の運用に対応できるオーダーメイドの設定とカスタマイズ機能です。打刻keeperは、各企業の就業規則や勤務体系に柔軟に適応できるよう設計されており、管理者は自社の規定に合わせてシステムの設定を細かく調整できます。この自由度の高さが、無駄のない効率的な勤怠管理の実現につながります。

料金プランは、月のご利用(出退勤をした)従業員数に応じて、1人あたり250円(税抜)となっています。ただし、5アカウントまでは無料でご利用いただけるため、小規模な企業や店舗にもおすすめです。初期費用は無料で、今まで勤怠システムを利用したことがない方でもイニシャルコストを気にせずご利用いただけます。

導入事例では、ある企業で作業時間が1/5になり、労務人件費が80%削減されたとのことです。また、利用者からは「紙のタイムカードと違い、パソコンから従業員ごとの出勤状況が見れる」「エクセルやPDFで簡単に出力・印刷も可能で、従業員の勤務状況の詳細を把握することが楽になった」など、高い評価を得ています。

打刻keeperは、導入コストが低く、スピーディーに運用開始できるため、中小企業や店舗などにおすすめの勤怠管理システムです。自社の運用に合わせたオーダーメイドの設定で、労務管理の効率化と生産性向上を図りたい企業は、ぜひ打刻keeperの導入をご検討ください。

まとめ

人事と労務は、ともに企業の人材マネジメントに欠かせない重要な役割を担っています。人事部門は主に人材の採用、育成、評価、配置に注力し、労務部門は労働条件や職場環境の管理、法令遵守に特化しています。両部門の違いを理解した上で、連携を強化し、従業員とのコミュニケーションを大切にすることが、効果的な人事労務管理につながります。

また、法令遵守の徹底とIT活用による業務効率化にも取り組むことで、より高度な人事労務管理を実現できます。人事と労務が協力して、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す職場環境を構築することが、企業の持続的な成長と発展に貢献するのです。