営業は売上に直結する重要な課題です。売上をあげるために、新規取引先の開拓や営業組織の強化は常に心がけていかなければなりません。しかし「今までの手法でやりきれるのか?」と日々変化する経営環境の中で疑問を感じることもあるでしょう。そんな時こそ、外部の知見や他社の成功事例を取り入れていくことで、経営スピードを大幅に向上させることができます。
そこで、本記事では外部の専門家である「営業顧問」の活用について解説していきます。営業顧問の必要性や役割、選び方、契約内容、費用相場、そして期待できる効果などを丁寧に紐解いていきますので、参考にしてみてください。
経営課題として新規顧客開拓や売上向上を掲げる企業にとって、営業力の強化は避けて通れない課題です。特に大手企業の営業職は、自社商材や役員クラスの決裁者への対応など、高度な専門性を求められます。
しかし、多くの企業では営業経験が浅い人材を抱えており、営業活動の質を高める余地があります。そこで外部の専門家である営業顧問の助言が重要な意味を持ちます。自社にはない知見とノウハウを取り入れ、営業プロセスの改善や有力顧客の開拓戦略の見直しなど、営業活動を最適化できるからです。
企業が抱える営業上の課題は様々です。営業顧問は、そうした課題に応じて幅広い業務を担います。
特に大手企業の営業では、役員クラスへのアプローチが成否を分けます。営業経験の浅いスタッフだけでは限界があり、ベテラン営業顧問の活用が欠かせません。
営業顧問の力量と人となりが、支援の成否を大きく左右します。そのため、慎重に選考する必要があります。
第一のポイントは、自社の営業課題に合った専門性とノウハウを持つ人材かどうかです。例えば、大手企業の役員クラスをターゲットにするのであれば、大手企業出身で同業界での実績があるベテラン営業マンが適任でしょう。
次に重要なのは、自社の企業文化や組織風土にフィットする人物かです。営業顧問は、長期にわたって社内に出入りし、営業部門と協力しながらプロジェクトを進めていきます。そのため、コミュニケーション力や人間性も見極める必要があります。
専門性の高い営業顧問を見つけるには、プロ人材が登録する営業コンサルタントのマッチングサイトなどを活用するのがおすすめです。そこには多様な専門分野や業界経験を持つ人材がいます。サイトでスキルや職歴を確認し、書類選考やリモート面談を行えば、適任者と出会える可能性が高まります。
業種業界にもよりますが、求める専門性を持つ人材は一定数いるはずです。積極的に情報収集し、複数の候補者から最適な人物を選んでいきましょう。
人となりの評価は非常に重要です。書類やリモートでは人物像を掴みきれない面があります。最終選考では対面での面接を行い、実際に雰囲気を感じ取る必要があります。
特に重視したいのは、コミュニケーション能力と人間性です。営業現場の社員や経営陣とスムーズに打ち解けられるかどうかです。自社の経営理念や組織風土に共感し、建設的な関係を構築できそうか、総合的に判断する必要があります。
優秀な営業顧問を確保できても、活用の仕方次第では成果が出ません。以下の点に留意し、営業顧問とうまく向き合いましょう。
目標やKPIを明確に設定し、相互に理解を深めることが重要です。また、営業顧問の経験とノウハウを最大限に活かすためには、企業側の受け入れ体制も整える必要があります。
営業顧問は、企業の営業課題に合わせて支援の内容を決めていきます。以下のようなトピックを中心に、具体的な戦略立案や業務改善に取り組むことになります。
営業活動は多岐にわたるため、何から取り組むべきか優先順位を付ける必要があります。例えば以下のような項目が考えられます。
優先度の高い項目から順に具体的な施策を立案し、プロジェクトを推進していきます。
営業活動を効率化し、高い生産性を実現するためには、プロセスの設計と最適化が欠かせません。
営業顧問と協力し、以下の視点からプロセス改善に取り組む必要があります。
このように営業活動の各プロセスをレビューし、ボトルネックを発見して改善策を立案します。
営業目標と具体的な達成戦略を立案します。
まず、営業顧問と共に目標設定します。売上目標に加え、受注件数や新規開拓件数、商談数など、中間目標を設けるのがポイントです。
次に、目標に向けた戦略を立案します。営業顧問の経験と知見を活かし、以下のような事項を検討していきます。
目標達成のためのプランをつくり、随時進捗を確認しながらPDCAサイクルを回していきます。
営業顧問には、企業に所属するスタッフ営業と、独立した外部の営業コンサルタントの2種類があります。スタッフ営業は企業からの給与支給、外部顧問は契約に基づく報酬支払いが一般的です。
外部顧問の契約は大きく2つに分かれます。
固定月額報酬型
成果報酬型
いずれの契約形態でも、業務範囲や期間、報酬水準などを明確にした上で、契約書を取り交わすのが一般的です。
営業顧問への支払い費用は、必ずしも安価ではありません。
固定月額型の場合、経験豊富なベテラン営業マンで50万円前後の報酬が相場といえます。大手企業の役員クラスへの営業支援であれば、ハイスペックな顧問に100万円前後の報酬が発生することも珍しくありません。
成果報酬型でも、新規受注1件当たり10%程度の報酬が発生し、高額な案件への関与が多いと報酬総額は膨らみます。
こうした高額の報酬に見合う価値とメリットがあることは間違いありません。ベテラン営業マンが持つノウハウや人脈は、短期間では獲得できません。営業顧問の力を借りることで、効率的に営業力の底上げを図れるのです。
また、大手企業の役員クラスへのアプローチは、そう簡単ではありません。経験豊富な営業顧問の助力があれば、大口チャンスの獲得につながります。コストはかかりますが、案件の大きさを加味すれば、十分にメリットのある投資といえるでしょう。
新規顧客の開拓は、多くの企業が抱える大きな課題です。相手先の関心を惹きつけ、ニーズに合った提案を行わなければなりません。また、決裁者へのアプローチの仕方など、熟練のノウハウが求められます。
営業顧問は、こうした新規開拓に関する専門性の高い知見を持っています。商品やサービスの魅力を際立たせるプレゼン資料の作成や、リードの発掘方法、決裁者との接し方など、様々な観点からアドバイスを行います。
支援を受けることで、単に新規顧客数を増やすだけでなく、魅力的な提案ができるようになります。優良顧客や大口顧客の獲得につながる可能性が高まるのです。
営業顧問の支援を受けることで、個々の営業マンのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。
具体的には以下のようなサポートが考えられます。
こうした細かなブラッシュアップを行うことで、一人ひとりの営業スキルが磨かれ、成約率が向上します。結果として、営業部門全体の生産性が大幅にアップするのです。
加えて、優れた営業顧問は、経験から最新のノウハウを持ち合わせています。AIツールの活用方法や、デジタルシフトに対応したアプローチなど、先進的な手法を伝授してくれます。時代の変化に合わせて営業力を進化させることができるメリットがあります。
営業顧問の最大の目的は、企業全体の売上向上につながることです。個人のスキルアップはもちろんですが、組織としての営業プロセスやシステムの改革にも貢献します。
このように組織レベルでの課題にも目を向け、抜本的な改善にも取り組みます。全社を巻き込んだ大規模な変革を促し、持続的な売上拡大を実現することが可能になります。
実際に営業顧問を活用し、大きな効果を上げた企業事例をご紹介します。
・課題: 新規大口顧客の獲得が進まず売上が伸び悩む
・対策: ベテラン営業顧問を招聘し、セミナー講師や商談同行を実施
・結果: 半年で5件の大口新規顧客獲得に成功。年商10億円アップ
・課題: 若手営業マンのスキルアップが課題
・対策: 元大手企業の営業トップを顧問として起用。研修とメンタリングを実施
・結果: 平均成約率が30%から55%に向上。売上が前年⽐比15%増
このように、優秀な営業顧問の力を借りることで、短期間で大きな営業力の向上が期待できます。組織の抜本改革にもつながり、売上拡大への確かな力となります。
営業顧問との関係を成功に導くためには、事前の準備が重要です。具体的な目標設定を明確に行う必要があります。
目標は定量的な売上ゲージだけでなく、以下のような定性的な側面も加えるべきです。
こうした多角的な目標を設定した上で、KPIやマイルストーンを決め、営業顧問と共有します。目指す姿に向かって同じ方向を向き、全員でゴールを意識できる体制を整えましょう。
ゴールに向けて活動する中で、必ず課題や問題点が発生します。そうした際には、営業顧問とタイムリーに共有し、解決策を検討する必要があります。
そのためには、定期的なミーティングとフィードバックのルーティンを決めておきましょう。
忌憚のないコミュニケーションが欠かせません。営業顧問側の提案を謙虚に受け入れ、建設的な議論を重ねることが重要です。
信頼関係を構築し、ゴールに向かってタッグを組んでいく姿勢が何より大切なのです。
一方で、営業顧問の活用には以下のようなデメリットや注意点があり、気を付ける必要があります。
優秀な営業顧問ほど報酬額が高くなる傾向にあり、大手実力者の場合は月額50万円以上となることも少なくありません。特に大企業での活用では、年間で高額な費用が発生する可能性があります。事前に十分に見積もりを確認し、費用対効果を慎重に検討することが不可欠です。
営業顧問の人選を誤ると、期待した成果が得られず、コストの無駄遣いに繋がりかねません。候補者の実績や専門性、経験値だけでなく、自社の業界理解度や組織文化とのマッチング度合いも入念に確認する必要があります。中途で解約に追い込まれるリスクも考慮しましょう。
特に独立系の営業顧問は、同業他社の情報を扱う立場にあります。秘密保持契約を締結していても、機密情報の取り扱いには常に細心の注意を払わなければなりません。守秘義務違反による企業秘密の漏洩リスクを認識し、厳格な管理体制を構築することが重要です。
長期間にわたり外部の営業顧問に過度に依存してしまうと、徐々に自社の営業力が低下する恐れがあります。いずれは内製化を目指す計画を立て、営業顧問からのノウハウ継承や社員育成に注力することが不可欠です。自立性を失わぬよう注意を払いましょう。
このように、営業顧問活用には様々なリスクが潜んでいます。しかしながら、それらのデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限に活かすことができれば、大きな効果が期待できます。気を付けるべき点を認識したうえで、適切な活用方法を心がける必要があるでしょう。
これまで営業顧問の活用におけるデメリットや注意点を挙げてきましたが、近年ではそうしたデメリットを解消したサービスも登場しています。例えば、顧問マッチングプラットフォームを活用すれば、コストを抑えながらも適切な人材を見つけられます。また、スポット活用によりリソース管理の柔軟性も確保できます。さらに守秘義務遵守の徹底や、定期的な研修を通じた質の維持なども図られています。
こうした新しい顧問サービスを利用することで、従来の課題を解決しながら、優秀な外部人材の知見を効果的に取り入れることが可能になっています。代表的なサービスの概要を次に紹介しますので、参考にしてみてください。
出典元:https://common-bank.com/
顧問バンクは企業と顧問のマッチングプラットフォームで、8,000人以上の専門家が登録されている大規模なネットワークを提供しています。企業は自社のニーズに合わせて、必要な時にスポット的に顧問を起用できます。登録顧問の詳細プロフィールを検索し、専門性や経験を直接確認できるため、適切な顧問を容易に見つけられます。また、定期的なウェビナーを開催し、企業と顧問の相互理解を深め、効果的なマッチングを促進しています。このように顧問バンクは、企業が柔軟に優秀な外部人材を活用できる環境を提供し、経営課題解決をサポートするサービスとなっています。
H2Rコンサルティング株式会社は、経理・財務アウトソーシングの専門企業です。導入満足度は90.9%と高く、多くの企業から信頼を得ています。経理業務の効率化を実現するため、幅広い業務をサポートしています。具体的なサービスには、伝票入力処理、請求書発行対応、売掛金・買掛金管理、社員経費清算、月次決算処理、四半期年次決算処理、開示業務対応、会社法計算書類対応、税務申告書付表対応などがあります。
出典元:https://welcome.con-path.axc.ne.jp/
コンパスシェアは、2022年7月27日に開始されたスポットコンサルティングサービスで、企業と経験豊富なコンサルタントを1時間から短期間で結びつけます。このサービスは、事業戦略、デジタルトランスフォーメーション、資金調達などのビジネス課題に対し、リーズナブルな価格で専門的なアドバイスを提供し、現役のハイエンド人材を38,500円(税込)から活用できます。
本記事では、営業力向上のための営業顧問の重要性と活用法をご紹介しました。
営業顧問には、自社に不足する専門性と営業ノウハウを補い、新規顧客獲得力やスキル向上、組織レベルでの営業改革に大きく貢献してくれる期待があります。
一方で、人選の失敗や費用対効果、情報漏洩などのリスクにも注意が必要です。明確な目標設定とコミュニケーションを怠らず、適切に活用することが成功のカギとなります。
企業の成長に向けて、ぜひ営業顧問の力を借りてみてはいかがでしょうか。一歩を踏み出せば、大きな飛躍につながる可能性があります。今こそ、営業力のさらなる強化に取り組む好機です。