【最新版】企業規模を問わず、企業が実践すべきセキュリティ対策とは?

企業規模に関係なく深刻化するサイバー攻撃の実態を踏まえ、企業が直面する具体的な脅威や被害事例、対策を怠った場合のリスクを解説。セキュリティ対策を「経営課題」として捉え、まず取り組むべき基本対策や考え方を分かりやすくまとめています。

目次

セキュリティ対策の重要性とは

企業のセキュリティ対策というと、「ITに詳しい会社がやるもの」「大企業の話」と感じてしまうかもしれません。しかし現実には、企業規模を問わず、セキュリティ対策はすべての企業にとって避けて通れない経営課題になっています。過去にサイバー攻撃を受けたことが『ある』企業の割合は 32.0%でした。規模別では、「大企業」が 41.9%で最も多く、「中小企業」が 30.3%、うち「小規模企業」が 28.1%でした。最近では、大企業よりも対策が比較的手薄な中小企業の被害増加が顕著になっています。

参考資料:帝国データバンク 「サイバー攻撃に関する実態調査(2025年)」https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250619-2025cyber-attack/(2025/12/26アクセス)

企業が直面する具体的な脅威

実際に企業が直面しているサイバー脅威は、想像以上に身近で現実的なものです。たとえばスパイウェアは、気づかないうちにパソコンへ侵入し、IDやパスワード、業務データを外部へ送信します。特別な操作をしなくても、メールの添付ファイルを開いたり、不正なWebサイトを閲覧しただけで感染するケースは珍しくありません。

ボットに感染した端末は、本人が気づかないまま遠隔操作され、迷惑メールの送信や他社への攻撃の踏み台として利用されることがあります。この場合、自社が被害を受けるだけでなく、取引先や社会から「加害者」と見なされるリスクも生じます。

DoS攻撃やDDoS攻撃といった大量アクセスによる妨害行為は、ECサイトや予約システムを運営する企業にとって大きな脅威です。システム停止は売上機会の損失や顧客離れにつながり、長引けば企業への信頼そのものを損なう可能性があります。

また、ランサムウェアは近年特に被害が拡大しており、データを暗号化して金銭を要求することで業務を完全に停止させます。バックアップがなければ、事業継続が困難になるケースもあります。

不正アクセスも多くの企業で発生しており、その原因の多くはパスワードの使い回しや設定ミスといった基本的な管理不足です。派手な攻撃ではなく、日常業務の隙を突かれる点にこそ注意が必要です。

適切な対策を取らなかった場合のリスク

これらの脅威に対して適切な対策を取らなかった場合、企業が被る影響は決して小さくありません。情報漏えいが起これば、顧客や取引先への謝罪対応に追われ、信頼を回復するまでに長い時間がかかります。場合によっては取引停止や契約解除に発展し、売上に直接的な打撃を与えることもあります。

また、被害の影響は外部だけにとどまりません。業務が止まることで社員の生産性が低下し、現場は混乱します。「なぜ事前に対策していなかったのか」という不満が社内に生まれ、経営や管理体制そのものが問われることになります。セキュリティ事故は、単なるITトラブルではなく、経営判断の結果として受け止められる時代になっているのです。

セキュリティ被害の件数変化

近年、セキュリティ被害の件数は減るどころか増加傾向にあります。特に注目すべきなのは、大企業だけでなく中小企業の被害報告が目立って増えている点です。攻撃者にとっては、セキュリティが手薄な企業ほど効率よく攻撃できるため、企業規模はもはや判断基準ではありません。

この流れは一時的なものではなく、今後も続くと考えられています。業務のデジタル化やクラウド利用が進むほど、利便性と引き換えに新たなリスクが生まれます。対策を後回しにするほど、被害に遭う可能性は高まっていきます。

情報漏えいの事例とその影響

実際の情報漏えい事例を見ると、多くは「高度な攻撃」ではなく、日常業務の中に原因があります。たとえば、社員が不審なメールに気づかず添付ファイルを開いてしまった、退職者のアカウントを削除せずに放置していた、共有パスワードを使い回していた、といったケースです。

こうした小さな油断が、顧客情報の流出や業務データの消失につながり、企業の信用を一気に損ないます。情報漏えいは、発生した瞬間だけでなく、その後も長期間にわたって企業活動に影響を及ぼします。だからこそ、セキュリティ対策は「何か起きてから考えるもの」ではなく、「何も起きていない今だからこそ取り組むべきもの」だと言えるのです。

まずはじめに行うべきセキュリティ対策

セキュリティ対策というと、専門的で難しそうな印象を持たれがちですが、最初から高度な仕組みを導入する必要はありません。むしろ重要なのは、「何を守るのか」「どこまでやるのか」を整理し、基本的な対策を確実に実行することです。多くの企業では、この基本が抜け落ちているために被害が発生しています。

セキュリティポリシーの策定方法

最初に取り組むべきなのが、セキュリティポリシーの策定です。これは難しい規程を作ることではなく、「社内で守るべきルールを明文化する」ことが目的です。たとえば、業務データをどこに保存するのか、私物端末の業務利用を認めるのか、外部サービスを使う際の判断基準は何か、といった点を整理します。

ルールが曖昧なままだと、社員それぞれの判断に任されてしまい、結果としてリスクが拡大します。完璧な内容でなくても構いません。自社の実態に合ったルールを決め、全社員が「何をしてよくて、何をしてはいけないのか」を理解できる状態を作ることが重要です。

ID管理と多要素認証の徹底

次に見直したいのがIDとパスワードの管理です。多くの不正アクセスは、パスワードの使い回しや管理不足が原因で発生しています。業務で利用するサービスごとにIDを整理し、不要になったアカウントは速やかに削除する運用が欠かせません。

加えて、多要素認証の導入は非常に効果的です。パスワードだけでなく、スマートフォンへの認証通知などを組み合わせることで、万が一パスワードが漏えいしても被害を防ぎやすくなります。導入の手間に比べ、得られる効果は大きい対策です。

OS・ソフトウェアを常に最新の状態に

OSやソフトウェアの更新を後回しにしている企業も少なくありません。しかし、アップデートには脆弱性を修正する重要な意味があります。古いバージョンを使い続けることは、「攻撃してください」と言っているのと同じ状態です。

業務に支障が出ない範囲で、更新は原則自動化し、最低限の管理ルールを設けることが現実的です。特別なスキルがなくてもできる対策でありながら、セキュリティ効果は非常に高いポイントです。

セキュリティソフト・システムの導入

基本的な防御として、セキュリティソフトやセキュリティシステムの導入は欠かせません。ウイルス対策ソフトに加え、ネットワークやメールを監視する仕組みを組み合わせることで、被害の発生確率を大きく下げることができます。

重要なのは、「入れて終わり」にしないことです。定義ファイルの更新や通知の確認など、最低限の運用を継続することで、初めて意味のある対策になります。

アクセス権の管理

すべての社員がすべての情報にアクセスできる状態は、非常に危険です。業務上必要な範囲にアクセス権を限定することで、万が一の被害を最小限に抑えることができます。

特に注意したいのが、異動や退職後のアカウント管理です。使われていないアカウントは、攻撃者にとって格好の侵入口になります。定期的な棚卸しを行い、不要な権限は削除する運用が必要です。

全従業員へのセキュリティ教育

どれだけ仕組みを整えても、最終的に操作するのは人です。セキュリティ事故の多くは、社員のちょっとした判断ミスから起こります。そのため、全従業員へのセキュリティ教育は不可欠です。

難しい内容を教える必要はありません。不審なメールの見分け方、怪しいと感じたときの報告ルールなど、日常業務に直結する内容を定期的に共有することが効果的です。

バックアップ体制の整備

万が一被害に遭った場合でも、業務を継続できるかどうかを左右するのがバックアップです。データを定期的にバックアップし、いざというときに確実に復旧できる状態を作っておくことが重要です。

バックアップは「取っているつもり」になりやすい分野でもあります。実際に復旧できるかを確認し、運用として成立しているかを見直すことが欠かせません。

セキュリティ対策のポイント

ここまでの対策を整理すると、セキュリティは特定の分野だけを強化すればよいものではないことが分かります。複数の観点からバランスよく対策を講じることが重要です。

物理的防御

サーバーや業務端末の置き場所、入退室管理など、物理的な防御も見落とせません。どれだけシステムを強化しても、誰でも触れる環境では意味がありません。

ネットワーク防御

社内ネットワークの管理や外部接続の制御は、攻撃の侵入口を減らすための重要な要素です。不要な通信を制限し、異常な動きを検知できる体制が求められます。

端末防御

社員が使うパソコンやスマートフォンは、攻撃の起点になりやすいポイントです。端末ごとの管理ルールを明確にし、紛失や盗難時の対策も含めて考える必要があります。

アプリケーション防御

業務で利用するアプリケーションやクラウドサービスの設定も重要です。初期設定のまま使っていると、意図せず情報が公開されてしまうこともあります。

人的防御

最終的に企業を守るのは人です。社員一人ひとりがリスクを理解し、適切に行動できる状態を作ることが、すべての対策の土台になります。

企業の情報セキュリティの課題

多くの企業がセキュリティ対策に悩む理由は共通しています。

どこまで対策すべきなのかわからない

情報が多すぎて、何から手を付ければよいのかわからないという声は非常に多く聞かれます。だからこそ、自社の規模や業務内容に合った現実的な範囲を見極めることが重要です。

セキュリティ専門人材の不足

中小企業では、専任の担当者を置くのが難しいケースがほとんどです。その場合は、外部サービスや支援を活用するという選択肢も視野に入れるべきです。

セキュリティ脅威の変化

脅威は常に変化しています。一度対策したから安心、という状態は存在しません。定期的な見直しが必要です。

セキュリティ対策費用が高い

コスト面の不安も大きな課題です。しかし、被害に遭った場合の損失と比べると、予防への投資は決して高すぎるものではありません。

サイバー攻撃対象企業の広域化

攻撃対象は特定の業界や規模に限られなくなっています。「うちは狙われない」という前提は、すでに通用しない時代です。

セキュリティ課題のソリューション提供企業

これらの企業は、日本企業が直面する多様なセキュリティ課題に対し、技術力だけでなく導入・運用まで含めた現実的なソリューションを提供している代表的な企業です。

  • トレンドマイクロ株式会社
  • ソリトンシステムズ株式会社
  • サイバーセキュリティクラウド
  • 日立ソリューションズ
  • 三井情報株式会社
  • ソニーグローバルソリューションズ  など

まとめ

セキュリティ対策は、ITの問題ではなく経営の問題です。企業規模を問わず、今できることから着実に取り組むことが、事業を守る最も確実な方法と言えます。完璧を目指す必要はありませんが、何もしないままでいることが、最大のリスクになります。

まずは自社の現状を把握し、基本的な対策から一つずつ実行していくこと。それが、これからの時代に企業が生き残るために欠かせないセキュリティ対策です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次